せいかつとしゅみ

こんにちわ、齊藤カズヒロです。思ったこととかあったこととか書きます。ボチボチ

カネコアヤノの好きな歌詞

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<span style="color: #999999">この記事は2019年4月に書いた記事なので、今の感想と若干ズレがあります。基本的に当時の感想としてお楽しみいただければと思います。</span>
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「最近、気になっているアーティストは?」と聞かれると、答えるのが「カネコアヤノ」さん。

 

あんまり前置きを長く書きたくないんですけど、カネコアヤノのプロフィールをwikipediaから拝借すると、「カネコアヤノ1993年1月30日 - )は、日本のシンガーソングライター神奈川県横浜市生まれ。弾き語りとバンド形態でライブ活動を展開している。」だそうです。

 

僕がみたことあるものでは、「生まれる時代を間違えた女」とキャッチフレーズをつけられていました。ひどいですね(笑)。

 

でもそれも納得で、日本のフォーク全盛期の空気感を纏った楽曲や歌い方が多い印象です。

「はぴいえんどを聴かせておくれよ」という曲もあるように日本語ロックの影響もあるイメージです。

 


カネコアヤノ/私は私よ(15.03.05)

 

というか僕は全然音楽史に詳しくないし、本題ではないのでとりあえずこの話はここまで!

カネコアヤノさんを知らない方に、おおよその輪郭でも分かってもらえたらとちょっと書いてみました。

 

 

ここからはカネコアヤノさんの曲で「好きな歌詞」を挙げていこうと思います。

カネコアヤノさんの魅力。

それは曲はもちろん、1曲の中でもころころと変わる声色や容姿など色々あるのですが、ここでは歌詞を取り扱ってみます。

 

カネコアヤノさんの書く歌詞は、平易な言葉を使っていて分かりやすい。

しかし「言葉の使い方」や「心情・情景の切り取り方」にハッとさせられたり、驚かされるものがあります。

めっちゃイイ~んです。

 

ちょっと注釈!

僕は「めっちゃイイ~んです」という発言のように、詩人でも詩に理解のある人でもないです。

どちらかというと文章表現に苦手意識がある方です。

 

それでも書いてみようと思ったのは、自分が好きなアーティストのことを書いたブログなりツイッターを見ると、共感できる部分もあって普通にうれしかったり興味深かったりするから。

 

僕の主観ではありますが、フーンと思ったりしてもらえると良いですね。

 

それではGO!

 

 

 

 

 

僕の好きなカネコアヤノの歌詞

 

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1.「不安なまま朝を迎えてしまった 

だからギターを弾くしかないんだ

君が例えば知らないところで

誰にどんな喋り方をしてるとか

 

言わなくていいこと たくさんあるね

笑い飛ばしてくれよ くだらない夢の話

君の隠したい秘密をひとつ知るより

今より上手に笑えるようになりたいだけだ」

(「明け方」より)

 

 

ワンフレーズで紹介しようと思ってたんですけど、長くなってしまいました。

でもしょうがないですよね?しょうがないです。

 

この歌詞に出てくる人は、好きな人がいるのか、それか好きな人と付き合いたてなのか。

 

「君が例えば知らないところで誰にどんな喋り方をしてるとか」「言わなくていいことたくさんあるね」

 

相手のこと、人のこと、色々気になるし自分がどう思われてるか不安だけど、けれども思ってること全部言ってしまうことってないじゃないですか。

 

「あの人、なんで私と喋ってるときより楽しそうなんだろう」とか。そんなことを口に出すことはない。

恋人同士の関係じゃなくても、そういうことってありますよね。

 

そういう気持ちを、あんまし表に出したくない感情を分かりやすい言葉でサラリと書いているところに凄いと感じます。

 

また、最終的には「今より上手に笑えるようになりたいだけだ」から転じて「上手に笑えるようになんてなるな」という歌詞に繋がっていくのも面白いんですよね。

カネコアヤノらしいというか。

 

「こうは言ってたけど、でもやっぱりこう思う!」みたいな。

一人の人間でも、色んな面ってあるじゃないですか。

テンションが高い時、低い時。好きな人といるとき、嫌いな人といるとき、時間や季節によっても心の持ちよう、自分から発せられる言葉、表情なんかも違いますよね。

 

そんな変化を曲や歌詞の進行によって感じられるのもカネコアヤノさんの歌詞の魅力だと感じてます。

 

 

 

 

 

2.「布と皮膚 布と皮膚 布と皮膚

交互になぞった

眠れない夜にそっと

布と皮膚 交互になぞった」

 

(「布と皮膚」より)

 

 

前後の歌詞から、たぶん隣で寝てる好きな人の服と肌の境を指でなぞってるんですよね。

それを布と皮膚と表現してるの、エロですね。(すいません、「エロ」より奥ゆかしい表現をしたかったのですが、僕の辞書には「エロ」という言葉しか登録されていませんでした)

「何でそんなことしてるねん」ていう可愛らしさもある。

 

「布と皮膚」の歌詞について触れたいのはそんなところで、僕はどちらかというと「明け方/布と皮膚」の対比について触れたいんです。

 

「明け方/布と皮膚」は明け方がA面、布と皮膚はB面で7インチのレコードで発売されました(そしてまだCDにも入ってないしネットでも配信されていない)。

 

「明け方」は”不安なまま迎えてしまった朝”の様子を歌った曲、「布と皮膚」は”眠れない夜”を歌った曲。

シームレスで世界が繋がってるんですよね。レコードの表が朝、裏が夜。

 

もちろん、歌詞の世界なので同じ登場人物を描いた歌とは限らない(というかその可能性は低い)ですが、コンセプトが面白いですね。

 

それに「布と皮膚」は”眠れない夜”とありますが、曲調は「スカ」っぽくて、どことなく南国風、どちらかというと明るい曲調なんですよね。

なので僕のイメージですが”眠れない夜”とは「暑くて寝つきの悪い夏の夜」。

そして、その状況をちょっと楽しんでさえもいるようなイメージです。

 

そういう意味でも「明け方」と「布と皮膚」はコントラストのきいた楽曲だと感じます。

 

 

 

 

 

3.「きみはしらない

私が秘密にしてること

どうして髪の毛のばしているのか

今からおしえてあげようか」

(「きみをしりたい」より)

 

 

僕が初めてカネコアヤノの歌詞にハッとさせられた歌詞。

ここだけでは分からないと思うんですが、「きみのことを知りたいから、私の思ってることも知ってほしい」と言ってるんですよね。

その流れからの「どうして髪の毛のばしているのか」。

 

おそらく、相手が長い髪の人を好きなんじゃないかな?それか歌詞の主人公が今は髪が短くて、伸ばして大人っぽさを出そうとしてるとか。

そういうことを、私あなたのためにやってるのよという部分を「今からおしえてあげようか」と言ってる。

 

からしたら、ちょっと怖さも感じるんですが(笑)、でもちょっと分かる気もする。

そういう部分も認めてよ、と。

 

「いわなくてもいいことあるよね」と言ってる「明け方」とは、また違う主張ですね(笑)。

 

この曲はエレキでの弾き語りの曲で、テンポもゆったりしててロマンチックで、神聖さもあって、好きな曲ベスト5くらいには入りますね。

 

 

 

 

 

4.「どこからともなく集まった 私の生活の一部

もうすぐ冬が終わるんだ カーテン越しの光

 

近所の子どもの声に

この分厚いセーターは似合わないな

汗臭く泥臭く いつでも今でもなれたら」

(「春」より)

 

 

春に聞きたい曲「春」。

いえ、春じゃなくても聞きたいです!大好きです。

 

「近所の子どもの声」に対応するのが「分厚いセーターは似合わない」というフレーズなのが面白いですよね。

 

「カーテン越しの光」から「近所の子ども」までずっとキラキラしてる・穏やかな情景を描いているのに「汗臭く泥臭く」という重みのあるワンフレーズでガラリと印象を変えてるのも面白い。

 

この後に「ノートの端っこ破っては 捨てたりないことにしたり 見られて死ぬことはない」「恋して愛を知ってしまった」と歌詞は続きます。

 

ノートの端っこに何書いてたんですかね~。甘~い。

とても情感豊かな曲で、フォーキーな曲調も最高です。

ギターの1音目から好きです。

 

 

 

 

 

5.「食べられる気持ちなんて あなたたちにはわからない

食べられる気持ちなんて あなたたちにはわからない

だけど僕たちは一生 死にたい気持ちはわからない」

(「さかな」より)

 

 

初の全国流通アルバム「来世はアイドル」の1曲目に収録されている曲「さかな」から。

この曲、さかな目線の歌詞なんですが、アルバムの1曲目からさかな目線の曲ってだいぶ尖ってますね(笑)。

 

最近では日常を歌った曲が多いですが、「来世はアイドル」では寓話的な世界観のものもあり、それはそれで面白いです。

 

この「さかな」、最初は「僕はさかな~♪」でユーモラスな始まり方をするのに、途中で鱗を剥がされ「たべられる」描写が入ってきて、最終的に「たべられる気持ちなんて あなたたちにはわからない」と結ばれるんですが、食べる人間側としてはなかなか「ウゥ」となる歌詞です(笑)。 

 

そして曲は「だけど僕たちは一生 死にたい気持ちはわからない」と結ばれます。

それまでさかな目線からの世界や死生観だったのに、一気に人間側の世界に踏み込んで描写しているんです。

「なぜ人間は自分の命を粗末にするのか」と。 

 

おそらくこのような世界観の曲は、これからは作らないような気がしますが、こういう曲も良いですね。

 

 

 

 

 

6.「ぼくたち動物なんのために
生きるかなんて 今日決める

 

素直な動物 柔らかい髪
しっとりとした爪 まつ毛は短め

 

愛する人へも 秘密はあるだろう
抱き合う服の皺がぶつかる交差点が

 

すてきだよ 違うことを考えて
水しぶきを浴びて
透ける体の向こう
今まで ほんとうこわかったよね」

(「ゆくえ」より)

 

 

アルバム「祝日」より「ゆくえ」の歌詞を抜粋。

 

「人間」を「動物」という表現に変えているところがまず素敵。

人間は社会の中で生きていくのが普通だけど、「私たち昔は動物だったんだよ」「もっと本能のままありたい」と言いたげな印象です。

 

「抱き合う服の皺がぶつかる交差点」、めちゃくちゃ良い表現。

 

「交差点」という表現だけで「都市」を表していて、愛を求め彷徨う「人間」と合わさって幻想的ですね。

 

この曲、弾き語りでは話しかけるように歌っているので、それもまた魅力的なんです。

また聴きたいな。

 

 

 

 

 

7.「クローゼットの中で
一番気に入ってる
ワンピース着ていくね


帰りには焼肉でも食べたい
大切なのは明るい明日だ」

(「エメラルド」より)

 

 

カネコアヤノの曲の中でも一際好きな曲、「エメラルド」。

こちらを最後に紹介します。

 

どこか懐かしい曲調、エレキの音とかのびやかなボーカルがイイんだぁ~。

 

で、抜粋した歌詞。

「気に入ってるワンピース」を着ていくのに、「帰りには焼肉を食べたい」と言ってるんです。

 

普通、お気に入りの服は汚したくないじゃないですか?

ワンピースを着ていくのだったら、おしゃれなカフェとかイタリアンに行きそうなイメージです。

 

でも、「好きなモノを着て、好きなモノを食べる!」と決めてる。

最高に最高を掛け算しようとしてる。

 

一見矛盾したようなイメージを持ってくるの、これはもう”カネコアヤノイズム”と呼んでもいいんじゃないでしょうか??!

 

「こういうこともあるけど、こういうこともあるよね」といった主張を持ってきて、「でもそれって皆持ってる感覚じゃない?」と肯定してくれる、そんな歌詞がカネコアヤノさんの特徴のように感じられます。

 

僕は共感するからというよりは、奥深いものがあると感じるから好きなんですが、カネコアヤノさんのファンに女性の方が多いのはそういう部分に共感しているからなのかな、と思ったりします。

 

 

 

 

 

と、まあこんな感じで!

好きな歌詞7つ(7は縁起の良い数字なのでここで切り上げますね)を挙げました。

最初に言いましたが解釈が間違ってるとかあるかもしれません。

 

カネコアヤノ知らなかったって人には聴いてもらいたいですね。

今回は歌詞を抜粋して載せましたが、やっぱり曲と一緒に歌詞を見て(聴いて)もらいたいですね!

 

ばいちゃ